腰痛の種類−基礎知識ー

腰痛と一言で言ってしまいますが、腰痛にも種類は複数あります。

■ぎっくり腰(急性腰痛症)
ぎっくり腰という名前は、誰でも一度は聞いたことがあると思います。正しい名前は「急性腰痛症」という名前です。重い物を持ち上げた時、急に「グキ」と腰が痛くなってしまうのがぎっくり腰です。地方では、ビックリ腰、海外では、魔女の一撃などと名前がついています。やはり名前の通り、腰がビックリしてしまったり、魔女(目に見えない何か)に攻撃され不運にも腰がやられてしまった。というのが名前の意味でしょう。原因は筋肉痛や、椎間板ヘルニアに発展するほどのものなどがあり、自然治癒で、数週間から数ヶ月かかります。その間に無理をしたら、癖になることが多いようです。まさに、腰痛の入り口です。

■椎間板ヘルニア
ぎっくり腰の次に有名な腰痛の名前ではないでしょうか。腰の構造で説明をしましたが、椎間板は振動を吸収するクッションのような役割をしています。椎間板がないと、振動で歩くこと、寝返りをうつことさえできなくなってしまいます。ヘルニアは、本来ある部分が脱出した状態のことを言います。本来ある部分から、ずれたと言ってしまったと考えた方が、想像しやすいかもしれません。椎間板ヘルニアは、背骨のなかでも、上の方の骨に比べ、負担のかかる下の方の骨の方が症状になりやすです。症状にもよりますが、鎮痛剤の投与や、手術が必要になる場合があります。手術をしても、5%から10%の確立で再発します。

■椎間板症
椎間板ヘルニアに似た症状です。この場合は、動くとではなく、長時間立つと辛いという症状です。椎間板に亀裂が入り負担がかかってしまってしまうために起こります。これはレントゲンに写るため発見しやすい腰痛です。

■骨粗鬆症
これも有名な腰痛ではないでしょうか。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と読みます。読んで字のごとく、骨が弱くなってしまう病気です。これは骨に小さな穴が沢山開き骨の密度が弱まり、おきてしまうのです。すごく簡単に言ってしまうと、カルシウム不足です。そんな簡単な原因でもないですが・・・。これは腰痛だけには留まらず、体全部が危険です。中年以降に見られ、女性が多いです。日本では1000万人がこの病気です。骨量の検査で発見できるため、発見しやすい病気でもあります。

■変形性脊椎症
脊椎の変形で、痛みがくる腰痛です。20歳から椎間板が弱くなり、40歳頃には、すごく弱体化しています。変形性脊椎症は、年齢からくる痛みと思っていて間違いはありません。ぎっくり腰(急性腰痛症) の病名の一種と考えていただいてよいです。X線などで症状がわかるため、発見しやすく、庶民的な腰痛です。

■脊椎腫瘍
脊椎骨に腫瘍ができた状態のことを言います。原発性と移転性があります。原発性には、良性と悪性があります。移転性は、がんです。手術できるものと、できないものがあります。これは、腰痛の中でも、重い腰痛です。

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